2008年5月9日  野外授業「横浜・山手」  参加者3名  事務局1名 戻る

5月9日 みなとみらい線 元町・中華街駅  

しろひげは集合9時30分の時間前に到着。もっと早く来ていた参加者のYさんと合流。他の人を待つ。

 

定刻 9時30分に参加者のIさん、Mさんと全員が揃う。

本日の参加者が少ない事にみなさん驚くが
しろひげの目が良く行き届くよう、少人数で
編成した事を説明、みなさん納得される。

これから行くコースを案内図を見ながら説明する。

山手の西洋館が並ぶ道すがらに、見つけた古い
洒落たデザインの電話ボックス。

5分ほどで最初のスケッチ現場「ベーリックホール」に到着。ぐるりとひとまわりする。


「ベーリックホール」

この建物は英国の貿易商バートラム・ロバート・ベリックの私邸として、1930年(昭和5年)に建てられたものだ。

アメリカ人建築家J.H.モ−ガンの設計によるものでJ.H.モーガンは、1873年、米国ニューヨーク州の生まれで1920年来日後、暫くして事務所を開設、各地に作品を残した。東京や仙台、神戸などにも彼による建物が現存するが、半数以上は横浜に建てられ、ユニオンビルディングや山手聖公会など著名な建物は数多い。1928年(昭和3年)に自身の設計によるユニオンビルディング内に事務所を構えたモーガンは、生涯をそこで建築の仕事に携わった。1937年(昭和12年)、63歳で亡くなっている。現在、モーガンは山手の外国人墓地に眠っている。  
「ベーリックホール」は内部も無料公開され、自由に見学することができる。
中もなかなか広い。これが個人宅として使用されていたというのだから、往時の貿易商の裕福さを窺い知ることができる。室内には家具や調度品が復元され、ベリックが暮らしていた当時の雰囲気を再現している。
壁に掛けてあった、銅板画に手彩色の絵を参考にペンのハッチングの勉強。
手前は「ベーリックホール」の模型。
各部屋を探索する参加者。

当時、日本国内では珍しいモダンな洗面所。

さぁ、スケッチに入る前にアングルの検討をする。
各自ベーリックホールを望む庭内に散らばる。
自分で手作りの水彩用イーゼルでスケッチを始めるYさん。

 

Iさんにこのアングルでの画角・・・絵の構図上どこまで対象を紙面に入れるかの説明をする。

YさんとIさんは微妙にアングルが違っていました。

帰宅後、完成させたIさんのスケッチ。
色がいいですね。

スケッチの途中、Mさんの質問に答えるしろひげ。

 


1時間ほどで1枚目のスケッチは終了。
皆さんと記念撮影。

山手111番館

ベ−リック・ホ−ルを設計した、アメリカ人建築家J.H.モ−ガンの設計で、1926年にアメリカ人ラフィン氏の住宅として、現在地に建設されました。
赤瓦の屋根と白い壁が美しい2階建住宅。公開にあたっては1階はモーガンに関する資料の展示や,当時の生活風景を復元。地下1階は喫茶コーナー「うかい亭」があり、ローズガーデンを望むテラスが気持いい。2階バルコニーからは庭園と木立越しに横浜港を臨むことができる。

 

 

地下1階の「うかい亭」での食事待ちの間に絵について、みなさんからの質問に答える。

 

 

 

スケッチを始める時、最初に描きたい主題を真ん中から描くと良いと語るしろひげの言葉にMさんから「自分は描きたい主題を真ん中じゃなくしたいのですが」の質問があり、ちょうど壁にあった「カシニョール」の絵をYさんが指し「この絵のように右側に女性を描いてるけどこのような事だよね」と意見がでました。しかし「カシニョール」の見せたいものは女性だけでなく全体のシチュエーションであり、その女性が持つ雰囲気を描写したいがために主題が中央でない時がある。でもしっかり女性の目は中央にある・・・・と言う答えをあとで手紙でみなさんに送りました。

「カシニョール」の絵を見ながら話がはずむみなさん。

昼食後からは2枚目のスケッチのはじまりです。

Mさんは111番館の正面左側からのアングルです。
これは教材にあるDVDに収録されているしろひげのスケッチと同じアングルですね。
しろひげが描いたこのアングル。DVD

Yさんはもう少し遠く左に寄り、建物の側面がメインのアングルです。

IさんはYさんより少し右に寄りました。
しろひげはローズガーデンの中に位置し、111番館を下から仰ぐアングルで描きます。
この日は人も少なくのんびりゆったりした環境で、スケッチが出来ました。
さっきまで居た「うかい亭」のテラスに憩う女性達が移動する前にスケッチをする。

 

これがしろひげが描いたスケッチと同じ画角の写真。仕上げの段階での貴重な資料となる。

必ず同じアングルでの写真は残します。

テラスの女性はキャッチしました。
スケッチの線描きは半分くらいですね。
ほぼ、線描きは終わりました。所要時間は15分。
余り時間はかけません。
さて、これはYさんの建物側面がメインのスケッチ、途中段階。
Mさんのスケッチの様子。
Mさんのスケッチ、途中段階。
おや、Iさんは彩色が始まりました。
早いですね、きちんとグリザイユから彩色しています。
Yさんも線画は上がりましたね。
みごとに絵描きのスタイルですね。バックの赤がすばらしい。
Mさんもそろそろ線画が上がりましたね。

 

一通り、皆さんの様子を見終わったので、しろひげは彩色に入りました。
グリザイユで陰影をしっかり描き、屋根の色を乗せています。
これは帰宅後、写真を参考に仕上げました。
でも、最初に受けた現場の印象はそのままです。
写真を見ても描き過ぎないようにすることがコツです。
最後の仕上がりを見ます。
色見本をそばに研究熱心なYさんの絵はほぼ仕上がりました。

これがYさんの完成したスケッチです。
床面が左下がりになってしまいましたがスケッチとしての完成度は高いです。
Mさんも彩色に入り、完成まであと少し。
Iさんは彩色もほぼ完成です。最後の締めを指導するしろひげ。

完成したIさんのスケッチです、形態の観察に多少難がありますが・・・色がビビットですばらしい。色彩の感性がいいです。
完成した絵を見ながら談笑。
本日は天候もよく快適でした。ちょうど来日中の中国の国家主席「胡錦濤」氏による、山手公園近くの中国の学校への訪問があったため、警備の警察官が大勢いました。
これも何かの記念ですね。

みなさん、今日の経験を糧に勉強をしっかり重ねて下さい。
お疲れ様でした。
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